英国政府は7日、エネルギーの安全保障強化と価格抑制に向け、米国と新たな協力体制を築くと発表した。世界的なロシア産エネルギーへの依存低減や、市場の安定化を図るため連携を深める。米国は向こう1年間で、英国への液化天然ガス(LNG)輸出量を対2021年比で倍増させる計画。
両国は、米国から英国へのLNG供給を持続的に増やしつつ、エネルギー効率を高めることを目指す。米国は今後1年で、少なくとも90億~100億立方メートルのLNGを英国に輸出する計画だ。両政府はこれに向け、輸出入事業者が直面する問題を積極的に特定し、解決に努めるという。
両国はこのほか、世界的なロシア産エネルギー依存の低減に向け、クリーンエネルギーへの投資を進める方針。民生用原子力の促進に向け核燃料や先進的原子力技術を巡る世界的な協力を深めつつ、洋上風力発電や二酸化炭素(CO2)回収をはじめとするクリーンエネルギー技術に対する国際的な投資を推進する。クリーン水素技術の開発も促すという。
英国のスナク首相は、今回の協力で英国の消費者の経済的負担は軽減し、欧州がロシアのエネルギー依存から脱却するのに役立つとしている。
ウクライナ侵攻を背景にロシアから欧州へのガス供給が減ったことで、各国は代替調達に動いている。英国の資源専門データ会社Kplerのデータによると、米国が今年に輸出した7,100万トンのLNGのうち、3分の2強は欧州に供給された。英国向けは800万トンと、110億立方メートル近くに相当する。[環境ニュース]
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