英政府統計局(ONS)は24日、2022年6月までの1年間の移民純増数が前年から4万5,000人増え、過去最高の50万4,000人に達したと発表した。新型コロナウイルス関連の渡航規制撤廃による留学生の増加や、ウクライナ避難民の受け入れなどで、欧州連合(EU)域外からの流入者が大きく増えた。
純増数の内訳を見ると、非EU加盟国出身者は50万9,000人、英国籍保有者は4万5,000人だった。半面、EU加盟国出身者は5万1,000人純減した。
英国への流入人口は全体で106万4,000人と、1年前から43万5,000人伸びた。うち非EU加盟国出身者は70万4,000人と、37万9,000人拡大。一方、EU加盟国出身者は1万人減って22万4,000人だった。
全体を目的別に見ると、就労が28万6,000人で、留学生は35万6,000人。中でも非EU加盟国出身の学生は前年から2倍弱に増えている。その他の理由は42万2,000人と最も多く、うち8万9,000人はウクライナ人を受け入れる特別ビザ(査証)による渡英だった。
難民申請件数は22年9月までの12カ月間で7万2,027件と、過去20年弱で最多となった。この間に予備的決定の判断が下されたのは1万6,400人だった。
ONSは、今回の結果は留学生や難民の増加、英国海外市民(BNO)の資格を満たす香港市民向けのBNOビザなど多くの要因が移民純増に寄与しているため、この傾向が続くかどうかを判断するのは時期尚早だとしている。
スナク首相の報道官はこの日、同首相は移民純増数を記録的な水準から減少させることに全力を注ぐと発表。移民制度が機能していることを確認するため、あらゆる選択肢を検討するとしている。
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