ドイツ政府は9日、中国資本によるドイツ半導体メーカーの買収計画2件を阻止することを閣議決定した。安全保障上の懸念によるもの。
うち1件は、独西部ドルトムントを拠点とするエルモス(Elmos)・セミコンダクターのウェハー製造事業を巡るもので、中国の同業、北京賽微電子が、スウェーデン子会社サイレックス(Silex)・マイクロシステムズを通じ買収を計画していた。もう1件の詳細は明らかにされていないが、南部ミュンヘン近郊を拠点とするERSエレクトロニックを、中国の投資家が買収する計画だったと報じられている。
ドイツのハーベック副首相兼経済・気候保護相は、買収計画に重要なインフラが関与するか、欧州連合(EU)域外に技術が流出するリスクがある場合、注視する必要があると説明。特に半導体分野では、ドイツおよび欧州の技術的・経済的な主権を保護することが重要だという。国益に反する取引は見極めるべきだが、中国は引き続き取引のパートナーだとしている。
エルモスは昨年12月、ウェハー製造事業を8,500万ユーロでサイレックスに売却することで合意。だが先には、この取引が政府により阻止される可能性が高いと明らかにしていた。
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