フランスの自動車大手ルノーは8日、電気自動車(EV)事業と内燃エンジン(ICE)車事業の分社化を含む新戦略を発表した。EV事業については、来年後半に上場する計画。デジタル変革に向け米グーグルとの提携を拡大する。ICE車事業を巡っては、中国の同業、浙江吉利控股集団と折半出資の合弁会社を設立することで合意した。
ルノーは今回、事業の柱をEV・ソフトウエア、老舗スポーツカーブランド「アルピーヌ(Alpine)」、金融サービス、リサイクル、ICE車・ハイブリッド車(HV)の五つに分割。それぞれが独立して収益性の高い事業に注力し、外部からの投資を受け入れるという。
EV・ソフトウエア事業「アンペア」については、早ければ来年後半にユーロネクスト・パリで新規株式公開(IPO)を行う計画だが、その後も過半数株は維持する。2030年までにEV6モデルを投入し、31年には100万台のEV生産を目指す。
同事業では、26年にソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)の立ち上げを計画。これに向け、携帯電話用半導体チップで世界最大手の米クアルコムの子会社クアルコム・テクノロジーズと、SDV向けプラットフォームを開発する。一方、グーグルとは、こうしたプラットフォームやSDVのデジタルツイン用クラウド・ソフトウエアでの提携を強化する。
なお、クアルコム・テクノロジーズはアンペアに出資する方針。日産自動車もアライアンス再構築の一環として出資するとみられている。
一方、ICE車事業を巡っては、ICE車およびHV向けパワートレインやシステムを開発・生産する合弁会社を設立する計画。浙江吉利控股集団と傘下の吉利汽車が50%、ルノーが50%それぞれ出資する。世界で17カ所の工場を運営し、1万9,000人を雇用する見通しだという。
ルノーは併せて、営業利益率を25年に8%以上に引き上げ、30年までに10%超とする目標を発表。今年については5%の見通しを維持している。[環境ニュース]
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