英国のエネルギー新興企業オクトパス・エナジーは10月29日、昨年破綻した同業バルブ・エナジーを買収することで合意したと発表した。バルブの顧客およそ150万件を引き受ける。取引は当局の承認を経て、11月末までの完了を見込む。
買収額は明らかにされていないが、オクトパスは「市場価値を上回る水準」で、バルブの顧客だけでなく政府や納税者にとっても好条件になると述べている。また、政府と向こう4年間の利益分配契約を交わしており、BBC電子版は、オクトパスから政府への支払額は1億~2億ポンドと報じている。
バルブは国内7位のエネルギー企業だったが、エネルギー卸売価格の高騰を受け、昨年11月に支払い不能に陥った。政府は、大規模な企業が破綻した際に顧客を保護する制度を使って同社を救済。バルブの処遇が決まるまでは、政府が出資する特別管財人が同社を運営することが決まっている。
英国では昨年9月以降、中小規模のエネルギー企業が相次いで破綻。うち29社については、エネルギー業界の監督機関Ofgemの指示により他社が顧客を引き継いだが、規模が大きいバルブに関してはこうした措置が困難と判断された。
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