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英送電大手、冬に輪番停電も ガス供給不足なら1日3時間連続

英国の送電大手ナショナル・グリッドの電力系統運用子会社ナショナル・グリッドESO(NGESO)は、6日に公表した冬季電力見通しの中で、ガスの供給量と欧州からの電力輸入量が極端に落ち込めば、1日に最長で連続3時間の輪番停電を余儀なくされるとの見方を示した。こうしたシナリオの可能性は低いものの、エネルギー危機が一段と悪化すれば供給不足に陥る恐れもあるとしている。同社が輪番停電の可能性を認めるのは、今回が初めて。

NGESOは、最も可能性の高いベースシナリオでは、例年通りに電力を供給できると見込む。ただ、国内の発電事業者が燃料のガスを十分に確保できず、ベルギーやオランダなど欧州諸国からの電力輸入量の不足も想定した場合に、計画的な停電が必要になるとしている。

BBC電子版によると、停電が実施される場合は、電力需要の高い朝や夕方に行われる見通しのほか、顧客は少なくとも1日前に通知を受ける。また、地域ごとに順番に実施され、全国で同時に停電が生じる恐れはない。

トラス首相は与党・保守党の党首選で、冬場に計画停電は実施しないと公約していた。ロイター通信によると、政府広報官は今回の見通しについて、「英国の電力系統は確実で多様化されており、政府の計画では今冬のあらゆるシナリオで家庭や企業を保護できると確信している」と強調。さらなる供給の確保に向け、英国領北海でのガス貯蔵や、ノルウェーなどからの輸入を手配済みと述べた。

政府は、国民や企業に省エネを要請する計画はないとしているが、ナショナル・グリッドは11月1日から企業や家庭に電力需要ピーク時の省エネを促す方針。スマートメーターを設置済みの世帯では、洗濯機やオーブンの使用を控えると奨励金が支給されるほか、企業にはオフピークの電力使用や、ピーク時のバッテリーおよび自家発電機の使用を奨励する。


関連国・地域: 英国
関連業種: 天然資源電力・ガス・水道マクロ・統計・その他経済

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