欧州連合(EU)は7日、チェコの首都プラハで非公式の首脳会議(サミット)を開催した。喫緊の三つの課題として、ロシアのウクライナ侵攻とエネルギー問題、経済状況について協議。加盟国の意見が割れているガス価格の上限設定についても、意見を交わしたとみられる。
ウクライナ問題では、部分的動員令の発令やウクライナ東南部4州の併合を含むロシアの動きへの対応のほか、ウクライナへの財政・軍事支援拡大について協議した。エネルギー危機については、今冬に手頃な価格のエネルギー供給を確実にするための手段を模索。経済面では、エネルギー価格高騰への対処と、成長や雇用の支援、低所得者層の保護を優先課題とし、政策の調整を図った。
ガス価格の上限設定を巡ってはかねて、加盟国15カ国が賛成している。しかし、その方法については、ロシア産ガスまたは発電用のガスに対する制限や、域内取引価格の上限など、さまざまな提案があり、意見がまとまっていない。ドイツやデンマーク、オランダは、上限を設けることで必要な量のガスの調達が困難となるほか、ガス消費節減の促進を妨げる懸念があるとし反対している。
次回のEUサミットは20~21日に予定されており、EUのミシェル大統領は、今回の協議に基づき合意に至ることに期待を寄せている。[EU規制]
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