フランス電力(EDF)の英子会社EDFエナジーは28日、イングランド北西部ランカシャー州のヘイシャム(Heysham)第1発電所と北東部ハートルプール(Hartlepool)発電所の稼働延長を検討すると発表した。深刻なエネルギー危機を受けた動き。両原発の設備容量は合わせて2.2ギガワットで、2024年3月の稼働終了を予定していた。
同社は今回、原発の発電量の維持と安全な稼働に向け、23~25年に10億ポンド投資する計画を明らかにした。ヘイシャム第1原発とハートプール原発は技術および安全評価に着手し、可能であれば運転期間を延長する。EDFの発電事業の責任者は、「向こう数年の優先事項は、既存設備で安全に発電量を最大化すること」とした上で、英国のエネルギー安全保障を支えるとともに、技術者など人的資源を維持していくことが重要と述べた。
英国では現在、原発8カ所が稼働しており、いずれもEDFが保有する。国内の電力需要の約13%は原発で賄われており、今年の総発電量は42テラワット時を見込む。
なお、既存原発はいずれも遅くとも2030年までに稼働停止することが決まっており、3カ所は廃炉手続きに入っている。新規原発はイングランド南西部サマセット州で「ヒンクリーポイントC」の建設が進むが、プロジェクトには予定より遅れており、フィナンシャル・タイムズによれば稼働開始は27年半ばにずれ込む見通しだ。また、計画段階にあるイングランド東部サフォーク州の「サイズウェル(Sizewell)C」については、23年に最終投資判断が下される。
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