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9月は3カ月連続分岐点割れ ユーロ圏総合PMI=速報値

米国の金融情報サービス大手S&Pグローバルは23日、9月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が48.2となったと発表した。8月から0.7ポイント低下し、過去20カ月で最低を記録。景気の「改善」と「悪化」の境目である50を3カ月連続で下回った。

ユーロ圏の製造業PMIは48.5と、前月から1.1ポイント低下。過去27カ月で最も低い。生産高は4カ月連続で減り、減少幅は2020年5月以降で最大だった。新規受注は5カ月続けて縮小した。

製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは48.3と、前月から0.8ポイント低下。過去27カ月で最低を記録した。フランスは2.8ポイント下がって47.8となり、過去28カ月で最も低い。

ユーロ圏総合指数のうち、仕入れ価格はエネルギー価格の上昇で6月以来の高水準となった。出荷価格の上昇幅も6月以降で最も大きかった。事業見通しは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期間を除けば、12年11月以来の低水準に落ち込んだ。雇用は前月から横ばいだった。

■サービス業も減速

ユーロ圏のサービス業PMIは48.9と、前月から0.9ポイント低下。国別ではドイツが45.4と、前月から2.3ポイント下向いた。半面、フランスは1.8ポイント上がり53となった。

S&Pグローバルのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは、今回の結果について「企業景況感の悪化とエネルギー価格高騰に端を発した物価上昇圧力の高まりで、ユーロ圏経済の景気後退が目前に迫っている」と指摘。パンデミック期間を除けば、13年以来で最悪の経済状況だと説明した。急激な景気の失速を避けつつインフレを抑制する政策立案は、ますます困難になっているという。

■英も過去20カ月で最低

9月の英国の総合PMI(速報値)は48.4と、前月から1.2ポイント低下。こちらも過去20カ月で最低に沈んだ。新規受注は過去20カ月で最も早いペースで減少。雇用は引き続き増加したが、伸び幅は8月から横ばいだった。

製造業PMIは48.5と、前月から1.2ポイント上昇した。サービス業PMIは1.7ポイント下がり、49.2。過去20カ月で最も低かった。


関連国・地域: EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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