欧州連合(EU)は9日、臨時エネルギー相会合を開き、エネルギー価格の高騰を巡る措置を協議した。資金難に陥っている電力会社への支援策や、再生可能エネルギー由来の電力価格に上限を設ける案を提示するよう欧州委員会に要請した。ロシア産天然ガスの輸入価格に上限を設ける案も協議されたが、結論は出ていない。
欧州では卸電力価格の高騰に伴い、取引に必要な証拠金が急騰し、電力各社の流動性が圧迫されている。エネルギー相会合では、こうした電力会社への支援策を策定するよう欧州委に求めることが決まった。
一方、電力料金の上昇を受け高利益を得ている再生可能エネルギー事業者に対しては、収入を規制する案の策定を欧州委に求めている。
欧州委は先に、ロシア産ガスの輸入価格に上限を設ける案を提示していたが、一部加盟国がこれに反対したため、結論が先送りされた。ブルームバーグによると、この案に代わり、ロシア以外も対象としたガス輸入価格全般に上限を求める案も検討されたようだ。ただ、ノルウェーやカタール、米国などのガス輸出国は、ガスの輸入価格に上限を設ける案にすでに難色を示している。
この日の会合ではほかに、EU域内の電力消費量の削減に向けた措置も協議されたが、加盟各国に削減目標を義務付けることでは合意がまとまらなかった。これに代わり、「協調的な需要削減」を促す案を策定するよう欧州委に求めている。
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