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英、フラッキング採掘解禁 エネルギー供給確保へ=19年以来

英国政府は8日、2019年から見合わせていたイングランドでのフラッキング(水圧破砕法)によるシェール(頁岩)ガスの採掘を解禁すると発表した。エネルギー価格高騰に対処するための政策の一環。40年までに同国をエネルギー純輸出国にする目標の達成に向け、ガス生産の拡大を図る。

トラス首相は、膨大な埋蔵量のシェールガスの採掘は、エネルギー純輸出国を目指す目標の達成に役立つと説明。開発事業者は周辺地域での支持を得られれば許可の申請が認められ、半年後にはガス供給が始まる可能性があるとしている。

政府は併せて、近く石油・ガスプロジェクトに100件以上のライセンスを発行する方針を発表。これに加え、原子力や風力、太陽光などのクリーンエネルギーによるエネルギー供給拡大も進めるとしている。

フラッキングは、化学物質や砂を混ぜた水を岩石層深くに注入し、岩石がひび割れるまで圧力を高めて天然ガスを抽出する掘削手法。イングランドでは11年、北西部ランカシャー州でフラッキング計画が始まったが、作業に伴う地面の揺れや環境保護の観点から反対の声が上がり長年延期された。18年には試掘を再開し、英国で初めてシェールガスの採掘に成功したものの、地震発生を受け作業は停止された。

石油・天然ガス規制機関の石油・ガス局(OGA)は19年の報告書で、フラッキングによる採掘で引き起こされる地震の頻度や規模を予測するのは不可能と結論付けた。これを受け政府は、フラッキングに対する許可を停止することを決定。だが今年に入り、ロシアのウクライナ侵攻を受けエネルギー自立が求められたことで、4月には規制見直しに向け英国地質調査所(BGS)に調査を依頼していた。[環境ニュース]


関連国・地域: 英国
関連業種: 天然資源マクロ・統計・その他経済

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