英国のジョンソン首相は1日、イングランド東部サフォーク州で計画している新規原子力発電所「サイズウェル(Sizewell)C」に7億ポンドを投資する方針を明らかにした。原子力をエネルギー自給自足の重要な柱の一つとする考え。同プロジェクトの投資契約は、2~3週間以内にまとまるとの見方を示している。
「サイズウェルC」建設プロジェクトはフランス電力(EDF)が進めるもので、総工費は200億ポンド。既存の「サイズウェルB」の北方に原子炉2基を建設する計画で、2035年の完工を予定する。設備容量は3.2ギガワットと、600万世帯分の電力を供給し、国内電力需要の7%を賄える見込み。
EDFは20年5月に同プロジェクトの承認を申請し、政府は7月にこれを承認していた。
同プロジェクトに投じる7億ポンドは、25年までの大規模原発プロジェクトへの予算17億ポンドから拠出する。
ジョンソン首相は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けたエネルギー価格の高騰により、国内に原発を建設する必要性が浮き彫りになったと強調。歴代政権が原子力の振興に消極的だったことが電力価格高騰を加速させたとし、次世代のために「原子力に大規模投資をするべき」と話した。
「サイズウェルC」プロジェクトにはEDFが80%、中国広核集団(CGN)が20%を出資しているが、対中関係の悪化を受け、政府はCGNに保有株を手放すよう求めている。政府とEDFは、20%ずつ出資して新たなプロジェクト運営会社を設立し、残りの60%については新たな出資者を探す方針と報じられている。
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