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7月は17カ月ぶり分岐点割れ ユーロ圏総合PMI=確定値

米国の金融情報サービス大手S&Pグローバルは3日、7月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、確定値)が49.9となったと発表した。速報値から0.5ポイント上方修正されたものの、6月からは2.1ポイント低下。景気の「改善」と「悪化」の境目である50を17カ月ぶりに下回った。

調査対象国のうち、ドイツは48.1と速報値から0.1ポイント引き上げられたが、6月からは3.2ポイント低下。過去25カ月で最も低い。フランスは51.7と速報値から1.1ポイント上方修正されたものの、前月からは0.8ポイント下落。過去15カ月で最低に沈んだ。スペインは52.7、イタリアは47.7にそれぞれ低下した。

ユーロ圏総合指数のうち、新規受注は減少し、輸出向けに限ると過去2年で最大の落ち込み幅となった。雇用の増加幅は過去15カ月で最も小さい。仕入れ価格と出荷価格の上昇ペースは共に2月以降で最も鈍化した。事業見通しは2020年前半以降で最も悪化している。

■サービス業も減速

ユーロ圏のサービス業PMIは51.2。速報値から0.6ポイント引き上げられたものの、前月からは1.8ポイント低下した。過去6カ月で最も低い。

国別では、ドイツが49.7。前月から2.7ポイント低下し、分水嶺を割った。新規受注は2カ月連続で減り、輸出向けも落ち込んだ。雇用の伸びは前月からわずかに加速した。

フランスは53.2と、前月から0.7ポイント低下。新規受注の拡大幅は21年4月以降で最も小さく、輸出向けは大きく縮小。雇用の増加幅は過去5カ月で最小となった。イタリアは48.4と前月から3.2ポイント低下。分岐点を下回った。スペインは53.8と前月から0.2ポイント下がっている。

S&Pグローバルのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは今回の結果について「ユーロ圏の経済見通しは第3四半期(7~9月)に入り暗転した」とコメント。調査データは、ユーロ圏経済が7月に縮小したことを示唆していると分析した。高インフレや金利上昇、エネルギー供給不安を背景に、生産と需要は新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)期間を除くと、ほぼ10年ぶりの大幅な落ち込みだと説明。家計と企業のいずれも支出が抑制されていると指摘した。

■英は低下も分岐点越え

7月の英国の総合PMIは52.1と速報値から0.7ポイント下方修正され、前月からも1.6ポイント低下した。サービス業PMIは52.6と前月から1.7ポイント下がったが、景気の「改善」と「悪化」の境目である50は17カ月連続で上回っている。


関連国・地域: EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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