英国の送電大手ナショナル・グリッドの電力系統運用子会社ナショナル・グリッドESO(NGESO)は7日、最大540億ポンドを投じて電力網インフラを改修する計画を発表した。これには洋上風力発電の送電網構築も含まれ、2030年までに送電容量が23ギガワット拡大する見通し。過去60年で最大規模の改修計画で、同年までに最大16万8,000人の雇用創出が見込まれている。
多くの洋上風力発電所は現在、個別に電力網と接続されているが、同社はこれを総合的なネットワークに改修する計画。洋上風力発電所18カ所の電力を陸上に送電するため、スコットランドとイングランドの東岸を結ぶ海底高圧直流送電(HVDC)の敷設を含む、海陸のインフラ整備を行う。洋上・海底インフラには約320億ポンド、陸上インフラには217億ポンドの投資が見込まれている。
NGESOによると、総合的な送電網の構築により送電容量が拡大することで、30年までに消費者の負担を55億ポンド減らすことが可能だという。また、クリーンエネルギーの普及を促進することにより、30~32年に二酸化炭素(CO2)排出量が200万トン削減される見通し。
英政府は、30年までに洋上風力発電の送電網の容量を現在の10ギガワットから50ギガワットに引き上げることを目指す。NGESOは今回の計画により、この目標が達成可能になるとしている。[環境ニュース]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。