主要7カ国(G7)の首脳会議(サミット)が26日、ドイツ南部エルマウ(Elmau)で開幕した。3日間にわたる協議では、ロシアによる侵攻が続くウクライナを長期的に支援する姿勢が打ち出される見通し。食料安全保障や民主主義の保護など、ウクライナ危機のより広範な影響への対処にも目が向けられる。
今回のサミットでは、食料難やエネルギー危機に直面する低所得国の支援に軸足が置かれる見通しだ。議長国ドイツのショルツ首相は「こうした国々の支援に失敗すれば、ロシアや中国などの大国が有利になる」と警告。「世界の民主主義国家が団結してプーチン大統領の帝国主義に対抗し、食料難や貧困、医療危機、気候変動の対策に取り組む姿勢を示すべき」と話している。
ロイター通信によると、今回のサミットでは、中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する低・中所得国向けのインフラ開発支援制度も発足させる予定。中国は2013年に打ち出した同構想に基づき、世界数十カ国のインフラ開発に巨額の投資を行っており、アフリカなどの貧困国の中国依存が高まっている。昨年のG7サミットでは、これに対抗する取り組みの必要性が確認されていた。
ウクライナに対しては現在、1カ月当たり50億ユーロの財政支援が行われているが、同国の復興に向けては、より大規模な長期的支援が必要との見方も浮上している。同国のゼレンスキー大統領は27日にオンラインでサミットに参加する予定だ。
このほか、気候変動問題では、炭素価格など排出量削減に向けた各種施策の国際的な調整に向けた「気候クラブ」の新設について協議が行われる。[環境ニュース]
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