英政府は石油大手シェルが計画している英領北海のジャックドー(Jackdaw)・ガス田の開発計画を承認した。この計画は昨年10月に環境上の理由で却下されたが、ロシアのウクライナ侵攻を受けてエネルギーの増産を目指す英政府の判断が注目されていた。
同ガス田はスコットランドのアバディーン沖合250キロにある。シェルは3月にプロジェクトの修正案を規制当局に提出。新たな計画では2025年後半に生産を開始する予定で、稼働後は国内のガス生産量の6.5%を占め、140万世帯にガス供給が可能になる。
シェルは先に、開発に絡んだ設備投資は5億ポンドに上るとの見通しを示した。また、スコットランド東部のピーターヘッドで計画中の炭素回収・貯留(CCS)プロジェクトが実現すれば、新しいガス田の炭素排出は最終的には回収できるという。
クワルテング・ビジネス・エネルギー・産業戦略相はガス田開発を承認した理由について、「再生可能エネルギーと原子力を加速させてはいるが、政府は現在のエネルギー需要に対して現実的な立場を取っている」と説明。エネルギーの安定供給を確保するため、英国の海域からのガス供給を拡大する必要性を唱えた。ただ、環境保護団体グリーンピースは今回の決定に反発しており、法的措置を検討すると述べている。
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