フランスで24日、大統領選挙の決選投票が行われ、マクロン大統領が得票率58.5%で続投を決めた。現職大統領の再選は、20年前のシラク元大統領以降で初めてとなる。対抗馬で極右政党・国民連合を率いるルペン候補は、2017年の決選投票に続きマクロン氏に敗れたものの、得票率は41.5%と前回の34.2%から拡大。マクロン氏は勝利演説で国内の分断と格差を認め、「全国民の大統領を目指す」と強調した。
投票率は約72%と、1969年以降で最低を記録した。
マクロン氏はパリのエッフェル塔前に集まった支持者らに対し、「極右を退ける目的で私に票を投じた人も多い」と認め、こうした投票者に感謝の意を表明。「フランスは疑心と分裂にむしばまれている」とし、「われわれは国民の生活苦を考慮し、こうした問題や国民の怒りに効果的に対応する必要がある」と話した。
一方、ルペン氏は敗北を認めたものの、「この結果自体が(われわれにとっては)大変重要な勝利だ」とし、「一部の人々による権力の独占を避けるため、今後もフランスとフランス国民のために約束を果たす」と強調した。
ルペン氏は今回の選挙戦で、旗印の反移民・反欧州連合(EU)ではなく家計支援を前面に押し出して善戦。ウクライナ危機の対応に追われるマクロン氏が選挙戦に出遅れたこともあり、一時は決選投票で接戦が予想されたものの、終盤にマクロン氏が精力的な選挙戦を展開し挽回した。
フィナンシャル・タイムズによると、マクロン大統領の続投が決まったことで、投資家やEU、北大西洋条約機構(NATO)の間には安堵(あんど)感が広がっている。ロシアのウクライナ侵攻を背景に欧米諸国の結束が試される中、NATOとの関係見直しを訴えるルペン氏が当選すれば、英国のEU離脱や米国のトランプ前大統領の当選に続く激震となることが見込まれていた。
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