米国の金融情報サービス大手S&Pグローバルは22日、4月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が55.8となったと発表した。3月から0.9ポイント上昇し、過去7カ月で最高を記録。景気の「改善」と「悪化」の境目である50は14カ月連続で上回っている。
ユーロ圏の製造業PMIは55.3と、前月から1.2ポイント低下。過去15カ月で最低に沈んだ。生産高の伸びは、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ2020年第2四半期(4~6月)以来の水準へと減速。新規受注は増加幅が20年6月以来の水準に鈍化した。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは54.1と、前月から2.8ポイント低下し、過去20カ月で最も低い。フランスは0.7ポイント上がり55.4となった。
ユーロ圏総合指数のうち、新規受注は拡大ペースが加速したものの、輸出向けに限ると2カ月連続で減少。仕入れ価格の伸びは過去最高となった前月からやや減速したが、出荷価格の上昇幅は統計開始以降で最大を記録した。事業見通しはやや改善。雇用は過去5カ月で最も増えた。
■サービス業も上昇
ユーロ圏のサービス業PMIは57.7と、前月から2.1ポイント上昇。過去8カ月で最も高い。国別ではドイツが57.9と、前月から1.8ポイント上昇。過去8カ月で最高となった。フランスは1.4ポイント上がり58.8と、過去51カ月で最も高い。
S&Pグローバルのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは「景気が減速するとの予測を覆し、ユーロ圏は第2四半期を好調なスタートで迎えた」とコメント。ただし、製造業が低迷していることは大きな懸念材料とした。物価上昇が続いていることから、経済再開の反動がなくなれば、サービス業の成長が急激に鈍化する可能性があると指摘している。
■英は下落
4月の英国の総合PMI(速報値)は57.6と、前月から3.3ポイント低下。過去3カ月で最低を記録した。新規受注の伸びは今年に入ってから最も減速。雇用は引き続き拡大している。
製造業PMIは55.3と、前月から0.1ポイント上昇。半面、サービス業PMIは4.3ポイント下がり58.3と、過去3カ月で最低となった。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。