英国のジョンソン首相は14日、同国に1月以降に入国した不法移民について、一部をルワンダに移送する計画を発表した。ボートなどで英仏海峡を渡る不法移民を減らす狙いで、これに向けてルワンダ政府と協定を交わした。
1月1日以降に不法に入国し、第三国で難民申請を行わない移民は、ルワンダに移送される可能性がある。移送された移民は、同国で居住権の申請を行う形だ。英国はルワンダ政府との合意に基づき、まず120万ポンドの支援金を提供する方針。
ジョンソン首相は「順番を無視して列に割り込んだり、英国の制度を悪用する人々に自動的な定住への道を失くし、代わりに安全な第三国または出身国に迅速かつ人道的に移送するもの」と説明。その上で、ルワンダは世界有数の安全な国で、移民の受け入れや統合で国際的に認められていると指摘した。同国は向こう数年で数万人を受け入れる体制があり、受け入れ数に上限はないという。
今回の発表を受け、内務担当閣外相やカンタベリー大主教らは「深刻な倫理的問題がある」などとして非難。一方、パテル内相は、批判者は解決策を提示できていないと一蹴している。
同首相によれば、英仏海峡を渡り入国した不法移民は13日だけで約600人。向こう数週間で、1日当たり1,000人に上る可能性があるという。
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