英国政府は5日、フラッキング(水圧破砕法)によるシェール(頁岩)ガス採掘を巡る最新の科学的助言を求め、英国地質調査所(BGS)に調査を依頼した。イングランドでは2019年、この採掘法により引き起こされる地震に対する懸念から採掘許可が停止された。
政府は、シェールガスの採掘が短期的なエネルギー価格問題の解決にはならないとしながらも、ロシアのウクライナ侵攻を受けエネルギー自立が求められる中、エネルギー生産を巡る全ての選択肢を検討すべきだと説明。今回の調査は、政策を支える科学的見解の進展を評価するもので、これにより政府は次の段階について検討することが可能になるとしている。
政府は特に、地震発生のリスクと規模を軽減できる新技術の有無や、こうした技術について専門家が英国での導入に適していると確信できるかどうかといった点に着目している。なお、BGSの調査結果は、今年6月末までに報告される見込み。
石油・天然ガス規制機関の石油・ガス局(OGA)は19年の報告書で、フラッキングによる採掘で引き起こされる地震の頻度や規模を予測するのは不可能と結論付けた。これを受け政府は、今後も地震が発生する可能性は否定できないとして、「地面の揺れに関して信頼のおける予測と管理を実施しない限り、フラッキングに対する許可はこれ以上与えない」ことを決定した。[環境ニュース]
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