英国で1日、標準的な世帯が年間に支払う電力・ガスの合計料金の上限が54%引き上げられ、1,971ポンドとなった。世界的なガス価格の高騰を受けた措置で、約1,800万世帯が影響を受ける見通し。BBC電子版などが伝えた。
対象となるのは、「標準変動料金」と呼ばれる割高な料金プランを含め、電力とガスを1社で契約し料金の支払いを銀行自動引き落としで行っている世帯。前払い式の課金メーターを利用するおよそ450万世帯については、年間支払額が708ポンド上昇し、2,017ポンドとなる。
英国では電力・ガス料金の上限は、毎年4月と10月に改定される。今年10月にはさらなる上限引き上げが予想されており、電力・ガス料金が年間2,600ポンドに達する可能性も指摘されている。
英国のシンクタンク、レゾリューション財団は1日、エネルギー価格高騰により一般世帯の実質所得が減少し、10月に再び上限が引き上げられた場合、家計支出の10%以上をエネルギー料金に費やす世帯が全国で500万世帯に倍増する恐れがあると警鐘を鳴らした。
こうした中、英政府は2月、エネルギー料金高騰による家計への打撃を緩和するため、総額91億ポンドの支援策を発表。36億ポンドをカウンシルタックス(住民税)の引き下げに、55億ポンドを電力料金の減額に充てる。
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