フランスのマクロン大統領は17日、4月に行われる大統領選での再選に向けた公約を発表した。1期目に続き経済改革を推し進めるとともに、エネルギーなど産業分野と農業の自立を強化するための投資拡大や減税、国防費の増大などを掲げている。
マクロン氏は今回、労働市場改革によって失業率を引き下げ、減税も実施した実績を強調しながらも、「成果はいずれも十分とは言えない」と指摘。2期目では労働市場改革や失業保険の改革などをさらに進めるほか、年金制度改革を実施する方針を示した。具体的には、年金受給開始年齢を62歳から65歳に段階的に引き上げるほか、相続税の引き下げや地方自治体が課す企業付加価値負担金(CVAE)の廃止などを挙げている。
また、フランスと欧州連合(EU)の戦略的および経済的な主権を強化する取り組みとして、防衛費の拡大に加えて、電気自動車(EV)のバッテリー生産や再生可能エネルギー、原子力発電などの産業分野および農業自給の強化に向けた大幅な投資を約束。EU内でエネルギー価格の決定方法を見直す一環として、フランス電力(EDF)の完全な国有化も示唆した。
一連の公約を実現するために2027年までに必要となる追加予算は500億ユーロ、減税規模は年間150億ユーロになる見通しだ。
マクロン氏の支持率は、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに過去1カ月で5~6ポイント上昇し、他候補に対するリードが広がっている。4月6日の第1回投票での得票率は約30%と、極右政党・国民連合のマリーヌ・ルペン党首を10ポイント以上引き離すとみられる。その後、4月24日の第2回投票では大差での勝利が予想されている。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。