欧州委員会は11日、ウクライナ侵攻を巡るロシアへの追加制裁を発表した。米国など主要7カ国(G7)と協調し、ロシアからの鉄鋼製品の輸入禁止や同国への高級品の輸出禁止、貿易上の最恵国待遇の停止などを導入する。
今回の制裁は第4弾となる。まず最恵国待遇を停止することで、世界貿易機関(WTO)加盟国として享受している優遇措置をなくす。これと併せて、国際通貨基金(IMF)や世界銀行など主要機関にロシアの加盟国としての権利の停止を働き掛けることで、こうした機関からの融資などを受けられないようにする。
鉄鋼製品の輸入禁止はロシアの主要輸出品による収入を阻止するためで、高級品の輸出禁止はロシアの富裕層への直接的な打撃を狙う。また、ロシア政府や新興財閥などが暗号資産(仮想通貨)を使って制裁を回避することも阻止し、G7と歩調を合わせ、プーチン露大統領に近い新興財閥などへの圧力も強める。さらにロシアのエネルギー部門に対する新規投資を禁止。これは、エネルギーの探査・生産のための投資や技術移転、金融サービスなどを対象としている。
今回の追加制裁について、フォンデアライエン欧州委員長は「ロシアをさらに孤立させ、戦争の資金源を枯渇させるもの」と説明している。
なお欧州委は11日、ウクライナに対する12億ユーロの金融支援の一環として、3億ユーロの緊急支援を実施したことも明らかにした。
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