ドイツ東部ブランデンブルク州の環境省は4日、米国の電気自動車(EV)大手テスラがベルリン近郊で建設を進めるギガファクトリーについて、生産開始を条件付きで承認したと発表した。同工場は当初、2021年7月の生産開始を予定していたが、当局の審査が長引いたことから大きくずれ込んでいた。
ブランデンブルク州のウォイトケ首相は「未来への大きな一歩となる」と歓迎。同工場は「ドイツおよび地域の主要な産業かつ技術の推進力になるだろう」と述べた。
ただ、同省は承認に際し、テスラに同工場での水の使用や環境汚染対策に関する条件を取り付けており、生産開始にはこうした要件を満たすことを証明する必要がある。同州の環境相によると、テスラは今後2週間以内にこれらを証明する見通しという。
ロイター通信によると、同工場で生産が始まれば、テスラは小型クロスオーバー車「モデルY」を欧州市場に迅速かつ手頃な価格での投入が可能になるという。同社は可能な限り部品を現地調達する考えで、現在さまざまなサプライヤーと協議を行っている。同工場では、フル稼働で年産50万台の電気自動車(EV)製造を見込む。
テスラは、欧州のEV市場で優位に立つフォルクスワーゲン(VW)との競合を狙う。欧州EV市場でのシェアはVWが25%を握る一方、テスラは13%で、ベルリン工場はテスラの欧州戦略において重要な役割を担うとされる。[環境ニュース]
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