欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは1月31日、2021年第4四半期(10~12月)のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、1次速報値)が前期比0.3%拡大したと発表した。第3四半期の2.3%から大きく減速。主要国では、フランスやスペイン、イタリアがプラスを維持した半面、ドイツはマイナスに転じた。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では4.6%拡大。EU27カ国全体では前期比で0.4%、年率では4.8%それぞれ増えた。
この日までに速報値を発表した主要国のうち、ドイツは前期のプラス1.7%からマイナス0.7%に転落。年率では1.4%拡大した。
フランスは前期比0.7%増と、第3四半期の3.1%増から伸びが減速。年率では3.5%となった。
イタリアの成長率は前期比0.6%。年率では6.4%だった。
スペインの成長率は前期比で2%と、第3四半期の2.6%から伸びが減速。家計最終消費支出は1.2%減ったが、総固定資本形成は4.9%増えた。輸出は6.5%、輸入は3.5%それぞれ伸びた。GDPは年率で5.2%拡大している。
国際通貨基金(IMF)は先に発表した世界経済見通しで、ユーロ圏19カ国の22年のGDPが前年比3.9%拡大するとの見方を示した。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染拡大や、供給面の制約が長引いていることを受け、昨年10月時点の前回予測から0.4ポイント下方修正。来年の成長率見通しは2.5%と、前回見通しから0.5ポイント引き上げた。
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