欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは20日、2021年12月のユーロ圏19カ国の消費者物価指数(CPI、改定値)が前年同月比5%上昇したと発表した。速報値から変化がなく、伸びは11月の4.9%からわずかに加速。統計開始以降で最高を更新した。
12月はエネルギーが25.9%値上がりし、前月の27.5%から伸びが減速。エネルギーを除く工業製品は2.9%、サービスは2.4%それぞれ上向いた。食品・アルコール飲料・たばこは3.2%上昇している。
ユーロ圏19カ国のうち、インフレ率が最も高かったのはエストニアで12%。これにリトアニア(10.7%)、ラトビア(7.9%)、スペインとベルギー(共に6.6%)が続いた。最も低いのはマルタで2.6%となっている。
消費者物価指数はEU27カ国全体では5.3%上昇。前月の5.2%から伸びが加速した。前月比で見ると、ユーロ圏は0.4%、EUは0.5%それぞれ上がった。
欧州中央銀行(ECB)は12月の政策理事会で、ユーロ圏の市場介入金利(最重要の政策金利)を過去最低のゼロ%に据え置くことを決めた。中銀預入金利もマイナス0.5%で維持。インフレが加速する中、20年3月に設けた「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」は今年3月末に終了させるとした。
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