英国・オランダ資本の石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルは10日、英国とオランダの二重構造となっていた株式や本社機能を英国に一本化する計画が、株主総会で承認されたと発表した。アンドリュー・マッケンジー会長は、合理的に実行可能な限り速やかに再編を進めるとしている。
今回の決議には、合わせて58%の議決権を持つ株主が参加し、99%を超える圧倒的多数の賛成を得た。可決には、75%以上の賛成が必要だった。
マッケンジー氏は、簡素化により競争力が高まるほか、2050年までに実質排出ゼロを目指す目標の達成や、株主還元を加速できると説明。オランダでは今後も、自社の大きな存在感を維持するとしている。
シェルは11月に再編計画を発表。これまで税制上の拠点をオランダとする一方、登記上の本社は英国に置き、株式もそれぞれの国で発行していたが、今後は税制上の拠点を英国に移し、株式も英国に一元化する。これに伴い、社名から「ロイヤル・ダッチ」を削除し、「シェル」に改称する。
同社の歴史は1907年、ロイヤル・ダッチ・ペトロリアム・カンパニーとシェル・トランスポート・アンド・トレーディング・カンパニーが提携して企業連合「ロイヤル・ダッチ・シェル」を形成したことに始まるが、その後も100年近くにわたり両社が持ち株会社として併存。2005年に経営統合し、取締役会を一本化したものの、本社機能や株式の二重構造は続いていた。
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