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アフリカ南部からの入国制限 欧州各国、新変異株の確認受け

南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が確認されたことを受け、欧州各国が渡航規制に乗り出している。英国とオランダは26日、南アフリカおよび周辺国を最も厳しい渡航制限の対象に指定し、欧州連合(EU)も、加盟国に渡航制限を導入するよう呼び掛けた。同変異株は、欧州ではベルギーで感染者が確認されているもようで、ワクチンの効果を低下させる可能性もあるとみられている。

英政府は26日正午から、南アフリカとボツワナ、エスワティニ、レソト、ナミビア、ジンバブエの6カ国をイングランドへの渡航が制限される「赤」リストの国に指定。これらの国から入国する人は、ワクチン接種の有無にかかわらず自主隔離が義務付けられる。政府が自主隔離用のホテルを確保するための準備期間として、28日午前4時まではこれらの国からの直行便は停止される。

オランダ政府も26日正午から、英国同様に6カ国からの航空便の乗り入れを禁止。この規制は12月4日午後11時59分まで導入される。オランダ国民などは例外的に入国が許可されているが、入国時の陰性検査の提示や10日間の自主隔離が義務化される。

ザ・ローカルによると、イタリア政府もこの日、アフリカ南部諸国からの入国を禁止した。南アフリカ、レソト、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビーク、ナミビア、エスワティニの7カ国が対象となっている。

ロイター通信によると、ドイツ政府も、アフリカ南部諸国を「変異株まん延地域」に指定する方針。ドイツ国民や居住者以外の入国を禁止し、入国者にはワクチン接種の有無に関わらず14日間の自主隔離を義務付ける見込みだ。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は26日発表の声明で、EU加盟各国に対し、アフリカ南部の感染地域からの渡航に「緊急ブレーキ」を発動するよう呼び掛けている。

この変異株は「B.1.1.529」と呼ばれるもの。専門家が分析を進めているが、変異回数が多くワクチンが効きにくい可能性もあるとされる。アフリカ疾病管理予防センター(アフリカCDC)によると、南アフリカで25日までに77人の感染が確認されているほか、隣国ボツワナで4人、香港でも1人が感染している。BBC電子版によると、イスラエルとベルギーでも感染が確認された。

世界保健機関(WHO)は26日の会合で、同変異株のリスクを検討する。ただ、WHOはこれに先立ち「現時点では渡航規制は推奨しない」とし、過剰反応をせず科学的なリスク判断に従うべきと訴えている。


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関連業種: 医療・医薬品運輸マクロ・統計・その他経済社会・事件

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