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シェル、英本社に一本化 社名の「ロイヤル・ダッチ」削除

英国・オランダ資本の石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルは15日、英国とオランダの二重構造となっていた株式や本社機能を英国に一本化する計画を明らかにした。社名も「シェル」に改める。組織構造を簡素化し、炭素排出量の実質ゼロ化に向けた事業戦略を実行しやすくする狙い。英政府がこれを歓迎する一方、オランダ政府は不快感を示している。

同社はこれまで、税制上の拠点をオランダとする一方、登記上の本社は英国に置き、株式もA、B株をそれぞれの国で発行していたが、今後は税制上の拠点を英国に移し、株式の二重構造も廃止して英国に一元化する。これに伴い、社名から「ロイヤル・ダッチ」を削除する。また、グループの最高経営責任者(CEO)と最高財務責任者(CFO)は英国に移動する。

これらの措置は、12月10日にオランダで開く株主総会で承認を得た上で実施する方針。同社は、株式構造を「正常化」することにより、競争力が増すとともに、自社株買い戻しによる株主への利益配分が促進され、「ネットゼロ」戦略を実行し易くなると説明している。

フィナンシャル・タイムズによると、この発表を受け、オランダ政府は「意外なことで歓迎できない」とコメント。「この計画が雇用や重要な投資決定、サステナビリティーに及ぼす影響について、同社経営陣と協議中」としている。一方、英国のクワルテング・ビジネス・エネルギー・産業戦略相は「英国経済に対する明白な信任」を示すものとして、この措置を歓迎している。

同社の歴史は1907年、ロイヤル・ダッチ・ペトロリウム・カンパニーとシェル・トランスポート・アンド・トレーディング・カンパニーが提携して企業連合「ロイヤル・ダッチ・シェル」を形成したことに始まるが、その後も100年近くにわたり両社が持ち株会社として併存していた。2005年には経営統合し、取締役会を一本化したものの、本社機能や株式の二重構造は続いていた。

同社を巡っては、「物言う株主」である米国の投資ファンド、サードポイントが出資比率を拡大しており、先には石油・精製・化学事業とガス・再生可能エネルギー・マーケティング事業の2社に分割することを提案していた。[環境ニュース]


関連国・地域: 英国オランダ
関連業種: 金融天然資源マクロ・統計・その他経済

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