フランスの中道右派・共和党から来年4月の大統領選挙への出馬を目指す候補者5人が8日、テレビ討論を行った。移民政策や犯罪対策ではおおむね意見の一致が見られたほか、いずれもマクロン大統領の政策を独自の視点から強く批判した。
英国の欧州連合(EU)離脱でEU側の首席交渉官を務めたミシェル・バルニエ氏は「マクロン政権の最大の失敗」は、安全保障問題との考えを示した。一方、イルドフランス地域圏議会のバレリー・ペクレス議長は、新型コロナウイルス危機管理での国費の無駄使いを批判した。
一般党員の間で有望視される元閣僚で北部オードフランス地域圏議会のグザビエ・ベルトラン議長は、極右の論客エリック・ゼムール氏が台頭した責任はマクロン大統領にあると訴えた。テレビ討論にはこのほか、国民議会議員のエリック・チョッティ氏と元欧州議会議員のフィリップ・ジュバン氏も参加し、3時間以上にわたり議論が交わされた。
共和党は10万人超の党員による投票を経て、12月4日の党大会で同党の大統領候補を選出する。
調査機関Ifopとコンサルティング会社フィデュシアル(Fiducial)の最新調査によると、大統領選の第1回投票ではマクロン大統領が得票率25%で首位に立ち、ゼムール氏が立候補すれば得票率は17%と、極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首(16%)を上回る見通し。単独過半数での勝者がいなければ決選投票が行われるが、共和党の候補者がこれに進出する見込みは薄いとみられている。
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