本格的な冬の到来を前に、欧州各国で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新している。欧州全体では10月最終週の新規感染者数が180万人弱と前週から6%増加。死者数も12%増えており、世界保健機関(WHO)は、欧州が再びパンデミック(世界的大流行)の震源地になっていると警鐘を鳴らしている。
欧州最大の経済規模を誇るドイツでは4日、新規感染者数が3万3,942人となり、昨年12月に記録した過去最多を更新した。シュパーン保健相はワクチン未接種者の間で感染が拡大しているとして、これらの人々を対象とした規制強化を呼び掛けている。
中東欧諸国での感染拡大も顕著で、クリスマス休暇期間の規制導入の是非と、ワクチン接種の促進が議論の的となっている。4日時点の新規感染者数は、スロバキアが6,713人となり過去最多を記録。ハンガリーは前週から倍増し6,268人に達した。ポーランドでは1万5,511人と、4月以降で最多となった。クロアチアは6,310人、スロベニアは3,454人と共に過去最多を記録している。
WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は、欧州での感染拡大はワクチン接種率が低いことが原因と指摘。「感染者が増加してから対応するのではなく、まず感染が拡大しないように予防するよう、戦略を変える必要がある」と強調している。
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