欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは10月29日、2021年第3四半期(7~9月)のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、1次速報値)が前期比2.2%拡大したと発表した。第2四半期から0.1ポイント加速。主要国では、とりわけフランスとイタリアが力強い伸びを示した。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では3.7%拡大。EU27カ国全体では前期比で2.1%、年率では3.9%それぞれ増えた。
この日までに速報値を発表した主要国のうち、フランスのGDPは前期比3%増と、第2四半期の1.3%増から伸びが拡大。投資を示す総固定資本形成は0.1%減少した。家計最終消費支出は5%、政府最終消費支出は3%それぞれ伸びた。輸出は2.3%増え、輸入は0.1%のプラスだった。
ドイツのGDPは前期比で1.8%増と、前期の1.9%増からは減速。前年同期比では2.5%増えた。
イタリアの成長率は前期比2.6%。年率では3.8%だった。
スペインの成長率は前期比で2%と、第2四半期の1.1%から伸びが加速した。家計最終消費支出は0.5%減ったが、総固定資本形成は1.3%増えた。輸入は0.7%、輸出は6.4%それぞれ伸びた。GDPは年率で2.7%拡大している。
国際通貨基金(IMF)は10月に発表した世界経済見通しで、ユーロ圏19カ国の21年のGDPが前年比5%拡大するとの見方を示した。フランスやイタリアで大きな回復が見込めるため、前回7月時点の予想から0.4ポイント引き上げた。来年の成長率見通しは4.3%と、前回から据え置いている。
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