世界銀行は21日に発表した報告書の中で、西バルカン諸国の域内総生産(GDP)成長率が昨年のマイナス3.1%から、今年はプラス5.9%に大きく回復するとの見通しを明らかにした。2022年には4.1%、23年には3.8%へと減速する見通し。
世銀はセルビア、コソボ、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、北マケドニア、アルバニアの6カ国の経済について、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による景気後退から回復傾向にあり、内需・外需が共に伸びたと説明。規制緩和に伴い、国内消費とインバウンド観光需要が伸びたことが寄与したとしている。加えて、先進国経済の回復が西バルカン地域の輸出需要を力強く後押ししたと分析する。
世銀は一方で、回復は依然として脆弱(ぜいじゃく)で、景気後退は特に女性と若年層の雇用喪失につながったと指摘。今年の若年層の失業率は37.7%と、昨年6月時点から5.4ポイント上昇し、雇用見通しはさらに悪化しているという。
また、報告書では同地域の経済成長をグリーン化するためのマクロ・経済面での課題や推進要因についても触れており、6カ国全てがビジネス環境、ガバナンス、デジタル面を改革することによって、欧州連合(EU)諸国とのギャップを埋めることができるとしている。
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