世界最大の自動車見本市、ミュンヘン国際モーターショー(IAA)が6日に開幕した。IAAは70年にわたりフランクフルトで開催されてきたが、今回からミュンヘンに開催地を移した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後にドイツで開かれる初の大規模展示会となり、7日の開会式にはメルケル首相も出席する。
自動車産業の変革を背景に、今回のショーは「IAAモビリティー2021」と銘打ち、自動車だけでなく電動のスクーターや自転車なども展示。展示会場とミュンヘン中心部の広場をつなぐ12キロメートルの道路では、試乗を楽しめる。
一方で、大手自動車メーカーの参加見送りも目立つ。各社が電気自動車(EV)などの開発コスト増にあえぐ中、IAAはパンデミック以前から規模が縮小傾向にあった。その傾向は今回も続き、欧州自動車大手ステランティスやスウェーデンの自動車大手ボルボ・カー、イタリアの超高級スポーツカーのフェラーリ、米国の自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は出展を見送り。日本勢の姿も見えない。
主要メーカーで出展しているのは、国内勢の自動車大手フォルクスワーゲン(VW)や高級車大手BMW、自動車大手ダイムラーの高級車部門メルセデス・ベンツのほか、フランスの自動車大手ルノー、米国のフォード・モーター、韓国の現代自動車および起亜などにとどまる。
これらの出展企業の目玉展示は、いずれもEVだ。VWは25年発売予定のEV「ID.ライフ」を初披露。BMWはリサイクル材料とバイオ原料のみを使用し、100%リサイクル可能なEVのコンセプトカー「iビジョン・サーキュラー」を初公開した。メルセデス・ベンツはスポーツタイプ多目的車(SUV)「Gクラス」の電動版コンセプトカー「EQG」、「Eクラス」の電動版「EQE」、高性能ブランド「AMG」の初のEV「EQS53」を披露している。
国内勢以外では、ルノーが「メガーヌ」のEV版「E―テック・エレクトリック」を初披露した。
IAAは独自動車工業会(VDA)が2年に1度開催。今年は6日からプレス向け、7日から一般に公開される。会期は12日まで。[環境ニュース]
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