ドイツのバイオ医薬品会社ビオンテックは9日、上半期(1~6月)の純利益が39億1,530万ユーロとなり、前年同期の1億4,170万ユーロの赤字から黒字に復帰したと発表した。米国の製薬大手ファイザーと共同開発した新型コロナウイルスワクチンの需要拡大を受け、今年の同ワクチンの売り上げ見通しを引き上げた。
売上高は73億5,690万ユーロと、前年同期の6,940万ユーロから106倍に拡大。うち商業収入は73億800万ユーロと1年前の1,570万ユーロから大きく伸びた一方、研究開発(R&D)収入は8.9%減っている。
同社とファイザーは7月21日時点で、新型コロナワクチンを今年に22億回分、来年以降に10億回分以上供給する契約を結んでいる。年産能力は年内に30億回分、来年には最大40億回分まで拡大させることを目指す。
ビオンテックはこれに基づき、通期の同ワクチンの売り上げ見通しを124億ユーロから159億ユーロに引き上げた。今年のR&Dへの投資は9億5,000万~15億ユーロとなる見込み。
なお、ビオンテックとファイザーは先に、来年から南アフリカで新型コロナワクチンの生産を開始すると発表。両社は並行してメッセンジャーRNA(リボ核酸、mRNA)を用いたインフルエンザワクチンの共同研究も行っており、9月末までに第1相臨床試験が開始される見通し。
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