フランスの自動車大手ルノーは9日、中国の自動車大手、浙江吉利控股集団と中国および韓国でのハイブリッド車(HV)の製造・販売で提携する覚書を結んだと発表した。急速に拡大する中国のエコカー市場に食い込む狙い。
両社は中国で合弁会社を新設し、ルノー・ブランドのハイブリッド車(HV)を製造・販売する。ロイター通信によると、技術や部品、生産施設は淅江吉利が提供し、ルノーは販売・マーケティングに注力する。また韓国では吉利のブランド「LYNK&CO(領克)」のブラットフォームを用いたHVを合弁で生産する計画。今後、他のアジア市場を対象に新たな提携も検討する。
ルノーは2020年4月、中国の東風汽車集団(DFG)とのガソリン車合弁事業から撤退。中国ではその後、同国の自動車大手、華晨汽車集団との合弁商用車メーカー、華晨雷諾金杯(華晨ルノー金杯)と、江鈴汽車(JMC)との合弁電気自動車(EV)メーカー、江西江鈴集団新能源汽車(JMEV)に専念していた。
淅江吉利は、中国の民間自動車会社としては販売台数で首位。スウェーデンの同業ボルボ・カーの親会社で、ドイツの同業ダイムラーの少数株も保有する。フィナンシャル・タイムズによると、同社は米国のEV大手テスラに対抗するため、インターネット検索エンジン大手の百度(Baidu)などの提携先にEVアーキテクチャーを公開している。[環境ニュース]
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