ドイツの製薬・化学大手バイエルは5日、米国のバイオ医薬品会社ビビディオン(Vividion)・セラピューティクスを買収すると発表した。取引額は最大20億ドル。低分子分野を強化し、モダリティーの拡大を狙う。
バイエルは15億ドルの前払い金に加え、最大5億ドルのマイルストーン(事前に取り決めた案件が実現したときに支払われる一時金)を支払うという。9月末までの取引完了を見込む。
同社は今回の買収により、化学薬品とタンパク質の相互作用を分析することで治療薬を発見するケモプロテオミクス技術を含む、ビビディオンのプラットフォームを取得。同社の技術は、前臨床試験で腫瘍や免疫疾患への適応性が証明されているほか、他の分野での治療に活用を拡大できる可能性があるとしている。
■第2四半期は赤字縮小
バイエルは併せて、第2四半期(4~6月)の純損失が23億3,500万ユーロとなり、前年同期の95億4,800万ユーロから赤字が縮小したと発表した。新型コロナウイルス対策規制の緩和で、処方薬の売り上げが大きく回復。しかし、買収した米農業化学大手モンサントの除草剤被害を巡る訴訟費用が、依然として利益を圧迫している。
売上高は8%増の108億5,400万ユーロ。EBITDA(利払い・税引き・償却前利益、特別損益除く)は10.6%減少し、25億7,700万ユーロだった。
同社は今年の売上高(為替変動の影響除く)の見通しを440億ユーロに引き上げた一方、EBITDA(為替変動の影響・特別損益を除く)については112億~115億ユーロとの予想を維持している。
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