ドイツ連邦政府は21日、西部を中心に発生した大規模洪水により甚大な被害を受けた地域の復興に向け、2億ユーロの緊急支援計画を承認した。連邦16州も2億ユーロを拠出する予定で、総額4億ユーロが充てられる。
この支援金は、住居や橋、トンネルなどの修復や農業などの損害補償、被災者支援に充てられる。支援額は2013年に発生した洪水被害からの復興費用をベースに設定されており、ショルツ財務相は「必要に応じてさらに増額する」と強調。病院や学校などの建設計画を迅速に進めるとした。
独政府は長期的な復興対策として数十億ユーロ規模の救済支援策も協議する予定。一方で、被害の全貌はまだ把握できておらず、完全な復興には少なくとも20億ユーロが必要となる可能性もあるという。
先に発生した記録的な豪雨による洪水の影響により、ドイツ西部では、ラインラント・プファルツ州やノルトライン・ウェストファーレン州を中心に深刻な被害が出たほか、ベルギーやオーストリアなどでも被害が広がっている。これまでに、ドイツ国内だけで約170人、ベルギーでは少なくとも31人の死亡が確認された。現在も数百人の行方が分かっていないという。
一方、行方不明者の捜索に当たっている救援当局は21日、今後の捜索で生存者が見つかる可能性は低いと述べた。
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