英国のイングランドで19日、新型コロナウイルスの感染対策として導入されていたほぼすべての規制が予定通り解除された。これまで営業を禁じられていた各地のナイトクラブは、午前0時1分の営業再開と共に若者らでにぎわった。政府は、ナイトクラブや大型イベントでは、入場者のワクチン接種完了や感染検査の陰性結果を確認するよう推奨しているものの、徹底はされていないもようだ。BBC電子版が伝えた。
イングランドでは、マスク着用や対人距離の確保が法的義務ではなくなり、集会人数の制限も解除された。飲食店や小売店の入店人数の規制も撤廃され、映画館や美術館・博物館、劇場などは通常の定員まで収容できる。
政府は混雑した場所ではマスクの着用を勧めているほか、ナイトクラブや大型イベントでは、英国の国民医療制度(NHS)が発行する「COVID証明書」などで、ワクチン接種完了や検査の陰性結果を確認することを推奨しているが、いずれも法的な義務はない。この日に再開されたナイトクラブでは、必ずしもこうした確認は行われておらず、入店者の多くはマスクを着用していなかったもようだ。
一方、ロンドンの公共交通機関では、この日以降も引き続き乗客にマスク着用が義務付けられる。
英国では新規感染者が再び急増し、1日当たり約5万人に達している。専門家らは、これが20万人に達する可能性もあるとみている。ただ、現時点で成人人口の68%以上がワクチン接種を完了していることから、入院患者や死者は感染の第1波や第2波の時ほど増加しないと期待されている。
■首相、自らの自主隔離巡りUターン
ジョンソン首相とスナク財務相は18日、自主隔離を開始すると発表した。新型コロナウイルスに感染したジャビド保健・社会福祉相と、前日に官邸でミーティングを行っていたため。両氏は当初、検査を毎日受けることにより自主隔離を免除される新制度の試験に参加し、自主隔離は行わないとしていたが、国民の猛反発を受け方針を転換した。
ジャビド氏は17日、感染検査で陽性反応が出たため自主隔離を開始すると発表。首相とスナク氏も、NHSの追跡アプリを通じて自主隔離を命じられていた。英国では感染者の急増を受け、自主隔離を求められる人が増え、一部の職場では人手不足も深刻化している。こうした中、両氏が自主隔離を免除されることには「特別待遇」との批判が集中していた。
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