ドイツのメルケル首相は18日、記録的な豪雨による洪水の影響で最も甚大な被害を受けた西部ラインラント・プファルツ州アールバイラー郡を訪れた。倒壊した家屋などを目の当たりにし、同首相は「今回の惨事はドイツ語では言い表すことができない」と述べ、迅速な復興支援を提供すると表明した。公共放送ARDによると、今回の洪水により、ドイツではこれまでに少なくとも157人、ベルギーでは31人と、計188人の死亡が確認されている。
メルケル首相は、被災地の住民や救急隊員などから話を聞いた後、「恐ろしい状況だ」とした上で、被災者に寄り添い支援すると述べた。半面、「大勢が支え合い、助け合っている様子を見て安心させられた」とも語っている。さらに、気候変動対策を迅速化させる必要があると強調した。
今回の被害を受けてショルツ財務相は、21日の閣議で3億ユーロの緊急支援パッケージを提案する見通しという。
最も大きな被害を受けたアールバイラー郡では、洪水によりライン川支流のアール川の堤防が決壊。多くの家屋が倒壊したほか、橋や道路が損壊するなど深刻な被害を出した。同郡だけでこれまでの死者は110人を超え、負傷者は700人近くに上る。行方不明者も多数出ており、当局は「死者、負傷者共にさらに増える恐れがある」と警告した。
ノルトライン・ウェストファーレン州では、46人が亡くなったほか、バイエルン州南東部オーバーバイエルンでも少なくとも1人の死亡が確認されている。これらの被災地には現在、軍隊や警察などから約2,500人が派遣されており、行方不明者の捜索や倒壊した家屋の撤去、負傷者の手当てなどが行われている。
同じく被災地を訪れたシュタインマイヤー大統領も「多くの犠牲者が出たことで、非常にショックを受けている」とした上で、多方面からの支援や救急隊に感謝の意を表した。
洪水はベルギーやオーストリア、ルクセンブルク、オランダなどでも発生しており、各地で被害が広がっている。
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