英国の石油メジャーのBPは8日公表した年次世界エネルギー報告書で、2020年の世界の風力・太陽光発電容量が、過去最高となる238ギガワットの伸びを記録したと明らかにした。一方、一次エネルギー消費量は4.5%減と、第2次世界大戦以降で最も落ち込んでいる。
昨年は世界の風力発電容量が127ギガワット、太陽光発電容量は111ギガワットそれぞれ拡大した。一次エネルギー消費量の減少は、主に石油の不振が原因で、全体の落ち込みの4分の3近くを占めた。世界の石油需要は9.3%縮小し、中でも米国や欧州連合(EU)、インドでの落ち込みが目立つ。
また、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)の影響で、エネルギー業界の炭素排出量は6%減少。1945年以降で最も減った。
報告書は、各国政府が世界の気温上昇を産業革命前に比べて1.5度以下に抑える目標を達成するには、新型コロナの影響を受けた20年の水準を向こう30年間にわたり毎年維持する必要があると指摘。BPの首席エコノミストは、炭素排出量の記録的な減少は「パンデミックと戦後最大の景気後退を背景にして起きたもの」とし、「日々の生活に大きな混乱や損失をもたらすことなく排出量を削減することが課題だ」と強調した。[環境ニュース]
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