欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは8日、2021年第1四半期(1~3月)のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、季節要因・稼働日数調整済み、改定値)が前期比0.3%縮小したと発表した。2次速報値から0.3ポイント上方修正され、20年第4四半期の0.6%減から落ち込みが緩和している。
家計最終消費支出は2.3%減少し、前期のマイナス2.9%から落ち込みが緩和。政府最終消費支出は横ばいで、前期のプラス0.4%から伸びが減速した。投資を示す総固定資本形成は0.2%増えたが、前期の2.5%増から伸びが大幅に縮小している。貿易は輸出が1%増え、輸入は0.9%拡大した。
GDPを国別に見ると、ドイツは1.8%減と、20年第4四半期のプラス0.5%からマイナスに転落。フランスは0.1%減少し、前期の1.5%減から落ち込みが緩和している。イタリアは0.1%拡大し、前期のマイナス1.8%からプラスに復帰した。スペインは0.5%縮小している。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比で1.3%縮小。2次速報値から0.5ポイント上方修正され、20年第4四半期の4.7%減から落ち込みが緩和している。EU27カ国全体では前期比で0.1%、年率では1.2%それぞれ落ち込んだ。
欧州委員会は5月に発表した春季経済見通しの中で、今年のユーロ圏のGDPが前年比4.3%拡大するとの見通しを示した。前回2月の冬季見通しでは3.8%と予測していたが、新型コロナウイルスのワクチン展開や制限措置の緩和に伴い、域内経済は力強く回復すると予想。来年中には危機前の水準に戻るとみている。
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