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EU、多国籍企業の国別納税報告を義務化へ

欧州連合(EU)理事会と欧州議会は1日、大手多国籍企業に加盟国ごとの利益や納税額とタックスヘイブン(租税回避地)での納税額の報告を義務付ける「国別税報告(CBCR)指令」案で合意した。報告内容はインターネットで公開される見通し。法人税の透明性を高めるとともに、税率の低い国への利益移転による租税回避を取り締まる狙い。

CBCRの対象となるのは、世界売上高が過去2年にわたり年7億5,000万ユーロを超える多国籍企業。これらの企業には、加盟国ごとの活動内容や従業員数、税引き前利益・損失、支払い所得税額と、域外のタックスヘイブンで納めた税額について報告・開示を求める。

EUは租税面で非協力的と認定された国・地域はブラックリスト、問題はあるものの是正を約束した国・地域をグレーリストの対象とし、定期的に見直しを行っている。2月に改訂されたブラックリストにはグアムや米領バージン諸島、グレーリストにはパナマやフィジー、サモアなどが含まれている。

現行法では、大企業は加盟各国の税務当局に対する利益報告を義務付けられているものの、こうした情報は公開されていない。

欧州委員会は、2013年に多国籍企業の租税回避阻止に向け法改正を行う方針を発表。「パナマ文書」などを通じてタックスヘイブンを利用した不正なオフショア取引の実態が明るみに出た直後の16年4月に同指令案を提示していた。その後、加盟各国政府の抵抗により協議が難航していたが、世界的に企業への課税ルールの見直し機運が高まる中、ようやく合意がまとまった格好となる。同指令案は今後、欧州議会とEU理事会で正式な承認を経る必要がある。

EUによると、大手多国籍企業の租税回避や過激な節税によって失われる加盟国の税収は、毎年推計500億ユーロに上る。

EU議長国を務めるポルトガルのビエイラ経済相は、「EU市民が新型コロナウイルス危機の克服に苦慮する中、財政上の透明性がこれまで以上に求められている」とコメント。また、欧州議会の交渉を率いたイブリン・レグナー欧州議員は、「国別報告とその公開を巡る今回の合意は、欧州における税の正義と金融上の透明性の向上に向けた第一歩に過ぎない」としている。[EU規制]


関連国・地域: EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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