英国の保健・社会福祉省は1日、新型コロナウイルス感染による過去24時間の死者数がゼロとなったと発表した。感染死者が出なかったのは、昨年3月7日以降で初めて。ただ、この日は英国の祝日で、週末や祝日の報告数は比較的少ない傾向にある。
累計死者数は1日時点で12万7,782人で、これは世界で5番目に多い。新規感染者数は3,165人となり、累計では449万438人となった。
新規感染者数は4月12日以降、3,000人を割り込んでいたが、5月26日以降は連続で3,000人の大台に乗っている。うち大半はインド型変異株の感染とみられる。過去7日間の人口10万人当たりの新規感染者数は、飲食店などの営業規制が緩和される前日の5月16日時点で21.6人だったが、27日には30.3人にまで伸びている。
ハンコック保健・社会福祉相は、感染死者数ゼロについて「確かに朗報だが、まだこのウイルスを克服したわけではない」とコメント。一方で、ワクチン接種は明確な効果を上げているとしている。現時点で、1回目のワクチン接種者は全成人人口の75%、2回目のワクチン接種完了者は50%近くに上る。
一方で、英政府の医療諮問グループのメンバーであるケンブリッジ大学のラビンドラ・グプタ教授は先に、新規感染者の絶対数は比較的少ないものの、インド型変異株により加速度的に増加していると指摘。英国は既に新型コロナウイルスの感染第3波の初期段階にあるとの見方を示すとともに、早ければ6月21日にイングランドでロックダウン(都市封鎖)を全面解除するという政府の計画を延期すべきとしている。政府はこの計画の実施について、14日に判断を下す方針。
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