英国のイングランドとウェールズで17日、新型コロナウイルス対策として導入されたロックダウン(都市封鎖)が緩和され、飲食店の屋内席やホテルが営業を再開した。世帯間交流のルールも緩和されたが、インド型変異株の感染者が増加傾向にある中、政府は引き続き慎重に行動するよう国民に呼び掛けている。また、英国では併せて外国渡航も解禁されたものの、政府はポルトガルなど一部の国・地域以外への休暇旅行は今後も慎むべきとしている。
イングランドではこの日から、屋外で最大30人、屋内でも最大6人または2世帯を上限に集まれるようになった。個人的な集まりでは対人距離のルールが各自の判断に任され、1年以上ぶりに離れて住む家族や友人とのハグも可能となる。ウェールズやスコットランドのグラスゴーおよびマレー(Moray)を除く地域でもロックダウンが緩和されたが、ルールの詳細はそれぞれ異なる。北アイルランドでは5月24日に次段階の緩和が行われる予定。
また政府は先に、渡航先の国・地域を感染リスクに応じて「赤」「黄」「緑」に分類しており、ポルトガルやイスラエルなど「緑」に指定された12カ国・地域については、外国渡航解禁に伴い帰国時の自主隔離も免除された。
ただジョンソン首相は、「ロックダウン解除のロードマップの新段階に到達したが、くれぐれも慎重を期す必要がある」と強調。外国渡航については、「黄・赤リストの国への休暇旅行は慎むべき」としている。日本や他の欧州諸国などほとんどの国・地域は、「黄」リストに指定されているほか、トルコやインドなど感染リスクの高い43カ国・地域は「赤」リストに指定されている。
インド型変異株の感染者は増え続けており、これまでにロンドンとイングランドの北西部や北東部、中部ノッティンガムで確認されている。BBC電子版によると、特に北東部ボルトンでは同変異株が新規感染者の大半を占め、政府は同市で重点的にワクチンを展開している。
政府の緊急時科学諮問グループ(SAGE)のジェレミー・ファラー氏は、こうした中での今回のロックダウン緩和は、「過去15カ月の政策決定の中で最も難しかった」とコメント。「規制緩和に伴い今後数週間は感染者が増える」との見方を示した上で、ワクチンの効果により「感染者数と重症患者数の連動性が絶ち切れるかどうかが焦点」と話している。
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