英政府は、イングランドで新型コロナウイルスの感染対策として導入した外国渡航の禁止措置を17日に解除すると発表した。併せて、帰国時に自主隔離が免除される国のリストを発表。ポルトガルやイスラエル、ジブラルタルなど12カ国・地域が含まれている。
イングランドでは現在、正当な理由のない国外渡航が法律で禁止されており、違反者には5,000ポンドの罰金が科される。政府は17日からこれを解禁するとともに、渡航先の国・地域を感染リスクに応じて「赤」「黄」「緑」に分類し、それぞれに異なるルールを定める。リストは3週間ごとに見直される。
「緑」リストにはほかに、シンガポールやオーストラリア、ニュージーランド、アイスランド、フェロー諸島などが含まれる。このうち、ポルトガルなどは夏季休暇に向けた英国からの観光客の受け入れに意欲を示しているが、英国からの入国を制限している国・地域もある。「緑」の国・地域からの帰国者は、自主隔離を免除されるが、到着後2日以内に感染検査を受ける必要がある。
観光業界は渡航禁止解除を歓迎しているものの、「緑」リストの対象が少なく慎重すぎるとの不満の声も上がっている。
一方、感染リスクが高いと見なされるトルコやインド、南アフリカ、ブラジルなど43カ国・地域は「赤」リストに指定され、過去10日以内にこれらの国に滞在歴のある渡航者の入国は禁止される。英国・アイルランド国民および英国在住者は入国できるが、政府指定の有料宿泊施設で10日間にわたり自主隔離することが義務付けられ、帰国便搭乗前と到着後2日以内および8日目以降に感染検査を受ける必要がある。
日本や他の欧州諸国などほとんどの国・地域は、「黄」リストに指定されている。帰国者は自宅で10日間自主隔離し、帰国後2日以内に感染検査を受ける必要があるが、帰国後5日目の検査で陰性が証明されれば、自主隔離を終了することができる。
このほか、「赤」「黄」「緑」のどの国・地域からの帰国者も、搭乗前72時間以内に受検した検査の陰性証明の提示を義務付けられるほか、帰国後の感染検査を事前予約し、帰国後の所在地や連絡先をオンラインで登録することが義務付けられる。
シャップス運輸相は今回の措置を「国際旅行への慎重な復活の一歩」とした上で、「国境での手続きにより時間がかかる」と警告している。また、海外旅行に当たっては、渡航先の入国制限を事前にチェックするとともに、新型コロナウイルスの感染状況が変化した場合に無料キャンセルが可能なことを確認してから予約するよう呼び掛けている。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。