欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは4月30日、2021年第1四半期(1~3月)のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、1次速報値)が前期比0.6%縮小したと発表した。落ち込みは20年第4四半期の0.7%減からわずかに緩和している。主要国のうちフランスはプラス成長に持ち直した半面、ドイツ、スペイン、イタリアは軒並みマイナス成長となった。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では1.8%縮小。EU27カ国全体では前期比で0.4%、年率では1.7%それぞれ落ち込んだ。
この日までに速報値を発表した主要国のうち、フランスのGDPは0.4%増と、第4四半期の1.4%減からプラスに転じた。投資を示す総固定資本形成は2.2%増えた。政府最終消費支出は0.5%、家計最終消費支出は0.3%それぞれ伸びている。輸出は1.5%落ち込み、輸入は0.1%減った。
ドイツのGDPは前期比で1.7%縮小。前年同期比では3%減っている。
イタリアの成長率はマイナス0.4%と、前期のマイナス1.8%から下落幅が緩和。年率ではマイナス1.4%となっている。
スペインの成長率は前期比でマイナス0.5%と、第4四半期のゼロ%からマイナスに転落。家計最終消費支出は1%減少し、総固定資本形成は1.9%減った。輸入は1.3%、輸出は0.1%それぞれ落ち込んだ。GDPは年率で4.3%縮小している。
国際通貨基金(IMF)は先に発表した世界経済見通しで、ユーロ圏19カ国の今年のGDPが前年比4.4%拡大するとの見方を示した。財政支援や新型コロナウイルスワクチン接種による景気回復への期待を背景に、前回1月時点の予測から0.2ポイント上方修正。来年の成長率見通しは3.8%と、こちらも前回から0.2ポイント引き上げた。
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