イタリアの代議院(下院、定数630)と元老院(上院、定数315)は27日、新型コロナウイルス危機からの脱却に向けた総額2,221億ユーロの復興計画案を承認した。欧州連合(EU)の復興基金から1,915億ユーロを調達し、残りの306億ユーロは自国予算で賄う計画。
計画案は、代議員では442対19、元老院では224対16とそれぞれ圧倒的な賛成多数で承認された。しかし、反対の議員は、300ページを超える計画が25日に発表されたばかりであることから、詳細を検討する時間が足りなかったとしている。
ドラギ首相はこの日、元老院で、決定の成否の責任はわれわれが負い、失敗すれば自国のみならず欧州の将来にも深刻な影響を及ぼすと説明。できるだけ早く資金を調達するため、30日の期限までにEUに計画を提出することの重要性を説いた。
今回の計画は、2021~26の5カ年。予算の約40%がグリーン化に充てられ、EUが目標とする37%を上回る。また、25%がデジタル化に投じられ、交通インフラや教育・研究にも大きく予算が振り向けられている。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け、イタリア経済は昨年に8.9%縮小した。復興計画は、26年までに国内総生産(GDP)を3.6ポイント押し上げると見込まれている。
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