米信用格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は16日、財政危機に陥ったユーロ圏加盟国を救済する欧州金融安定基金(EFSF)の信用格付けを、最上級の「AAA」から「AAプラス」に1段階引き下げたと発表した。先週13日に、フランスとオーストリアを1段階格下げしたことに伴うもの。
S&Pは、EFSFを保証するユーロ圏各国の中で最上級の格付けを持つ国が6カ国から4カ国(ドイツ、オランダ、フィンランド、ルクセンブルク)に減ったため、信用度が低下したと説明している。ただEFSFが信用補完をするか、融資枠を縮小すれば、格付けを最上級に戻す方向で見直す可能性も示唆した。EFSFの融資枠は4,400億ユーロだが、最上級の格付けを持つ国の保証の裏付けがあるのは約2,600億ユーロにとどまる。
EFSFのクラウス・レグリング最高経営責任者(CEO)は今回の決定に対し、「格下げの影響はほとんどなく、世界中の投資家がEFSFの債券購入を続けるだろう」と自信を示した。また、今年7月に設立される欧州版の国際通貨基金(IMF)である欧州安定化メカニズム(ESM)は、EFSFよりも信用格付け変更の影響を受けにくいと指摘している。
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