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4月は過去9カ月で最高 ユーロ圏総合PMI速報値

金融情報サービス会社IHSマークイットは23日、4月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が53.7となったと発表した。3月から0.5ポイント上がり、過去9カ月で最高を記録。景気の「改善」と「悪化」の境目である50を2カ月連続で上回っている。

ユーロ圏の製造業PMIは63.3と、前月から0.8ポイント伸び、1997年の統計開始以降で最高に達した。新規受注は過去最大の伸びを記録。雇用ペースは2018年2月以降で最も加速した。仕入れ価格の上昇幅は11年3月以降で最大となり、出荷価格は過去最大の伸びを示した。

製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは66.4と、前月から0.2ポイント低下。フランスは0.1ポイント下がって59.2だった。

ユーロ圏総合指数のうち、生産高は昨年7月以降で最も上昇。新規受注も堅調に拡大した。仕入れ価格の伸びは過去10年で最も加速し、出荷価格は2018年1月以降で最大の上昇幅となった。

■サービス業も分岐点超え

ユーロ圏のサービス業PMIは50.3と前月から0.7ポイント上昇し、分岐点を上回ったほか、過去8カ月で最高を記録。国別ではドイツが50.1と1.4ポイント低下した。半面、フランスは2.2ポイント上がって57.6と、過去8カ月で最も高い。

IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは今回の結果について、新型コロナウイルスの封じ込め策が強化される中、ユーロ圏経済は頼もしい力強さを見せたとコメント。サービス業は依然として規制の影響を受けているものの、規制への適応や改善に向けた準備を進めていることから、成長を取り戻していると分析する。製造業については、抑制されていた消費や在庫補充、設備投資、楽観的な見方の広がりが、生産高と新規受注の記録的な伸びを後押ししているとの見方を提示した。ただ、製造業の需要急増に起因するコスト高騰が、インフレ率の上昇につながる可能性があると指摘している。

■英は過去7年超で最高

4月の英国の総合PMI(速報値)は60と、前月から3.6ポイント上がり、2013年11月以降で最高を記録した。新規受注は過去7年近くで最大の伸びとなったが、輸出向けは減少。雇用は2017年8月以降で最も伸びた。

製造業PMIは60.7と、1.8ポイント上昇し、過去27年近くで最高に達した。サービス業PMIは3.8ポイント上がって60.1と、過去6年超で最も高い。


関連国・地域: EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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